当院の白内障手術への考え方とポイント

より安全な手術のために

 当院では「安全第一」で手術を計画しております。白内障手術は手術手技や手術器械とその設定、眼内レンズなど、それぞれにさまざまな選択肢がございます。
 すべての選択肢を検討する際、基準にするのは「どれが一番目に負担をかけないか」です。
  当院における白内障手術での「角膜内皮減少率」は、現在の設定で平均0.79%程度(通常は4~11%)です。いかに目にかかる負担が少ないか、お分かりいただけると思います。
  また、「後嚢破損率」も現在の設定で0.18%とこちらも非常に少ない結果となっています(通常は1~8%程度といわれています)。

手術手技

 手術手技はその難易度やかかる時間、先進性などによってさまざまな方法があります。
 手術手技によって、あるいは使用する眼内レンズによっても手術器械に向き不向きがあり、さらにはその設定によっては同じ器械でもまったく異なった特性を持ちます。
 現在当院で採用している方法は原則として「フェイコチョップ法を用いた正常眼圧白内障手術」です。
 「フェイコチョップ法」とは、香川県の永原國宏先生が考案なさった方法で、眼内の他の部分に負担が少ないという特徴があります。反面、軽い白内障ではやや操作が難しくなります。
 きちんとした操作をすれば器械の設定を穏やかにしても安定して手術が出来る手技で、私にとっては、現時点で最も安全で効率の良く、後述する「正常眼圧白内障手術」と相性も良い方法だと思えます。

手術器械とその設定

 「正常眼圧白内障手術」とは、東京都の大木孝太郎先生が名付けられた方法です。器械の設定を低くし、眼圧を正常値に近く保つことで目に負担をかけず、安全に手術をしましょうという考え方です。
  高い設定で短時間に白内障を吸引する「高設定(ハイバキューム・ハイフロー)」を好むドクターもいます。手術時間も短く、見た目もインパクトがあり、術者も実に「気持ちよく」手術できます。例えるなら、「ハイバキューム・ハイフロー」は"レーシングカー"を、「正常眼圧白内障手術」は"高級乗用車"を運転しているようなものでしょうか。
 当院でもそのような設定で短時間に手術を終わらすことが目に負担をかけないと考えておりましたが、手術中に眼圧が極端に上昇するために目の奥にまで影響が出ることがあったり、目の中の構造が弱い方の場合には大きな合併症につながることがあったりすることが分かったため、現在では低い設定の「正常眼圧白内障手術」に戻ってきました。
 「正常眼圧白内障手術」において一番重要なのは手術器械の超音波の発振効率です。昔は超音波の発振効率がさほど良くなかったため、ハイバキューム・ハイフローによって効率的な手術を行うことが良いと考えていました。現在では高効率の手術器械が開発されたため、低設定でも効率よく手術ができるようになったというわけです。

 超音波の発振効率を重視して器械を選定すると「Sovreign®(ソブリン®)」になりました。
 ソブリン®で「正常眼圧白内障手術」を行っていたために、大きなトラブルを免れた症例は数多くあり、そのたびにソブリン®にして良かったと思います。
 現在はソブリン®の後継機種のひとつ、インテュイティブ®を使用しております。もちろんバックアップも含め2台用意しております。
 実はシェアナンバー1の他社製の手術機器を入れたこともあるのですが、半年で現在の器機に再度買い換えました。

 プライベートはともかく、手術は"高級乗用車"が良いと思います。

より正確な手術のために

IOLマスタ700®

アイオーエルマスター レーザー光を利用し、眼球の長さ(眼軸長)を測定する。これにより白内障手術後の「ピントずれ」が半分以下に激減。術後の好成績を支える。
 プログラムの最新バージョンにより、今まで測定できなかった症例(白内障の進行例)でも測定が可能になった。
 また、超音波を使用している従来のものと異なり、目に接触することがないので、傷や感染の心配がなく、安全。
 当然最新バージョンです。

OPDscan

オーピーディースキャン 角膜の乱視などの状態を詳しく調べる。
 最近では当院で採用しているものだけでも16種類にものぼる眼内レンズの選択に欠かせない。
 多焦点眼内レンズや乱視矯正用眼内レンズ、あるいは単なる単焦点眼内レンズであってもよりそれぞれの眼に最適な眼内レンズを選択するために必須。

CASIA2

CASIA2 角膜の乱視などの状態を詳しく調べる。
 角膜裏面の乱視計測もできます。
 上記OPDscanと合わせ、より細かい角膜形状解析が可能です。
 やはり最適な眼内レンズを選択するのには必須と考えます。

よりご満足いただくために

手術前に執刀医が直接、時間をかけてお話します。

 白内障手術の成功率は99%以上。上手くいって当たりまえ。ほとんどの症例において、現在の問題はもはや「術後のピントをどうするか」です。
 当院では術前検査の際、執刀医自らがご本人と直接お話し、術後のピントの設定をします。遠くに合わせる症例、近くに合わせる症例、片目を遠くで反対を近くに合わせる症例、あるいは累進焦点眼内レンズを使用するなど、その結論はさまざまです。
  場合によっては30分以上かかることもありますが、術後にご納得いただくためには、必須だと考えます。